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技術書典 15 が終わったので収支をまとめてみる。

Shino3(しのさん)です。

この記事は Bluesky アドベントカレンダー 第2会場 一日目の記事になります

adventar.org

翌日は未定ですが、誰かが書いてくれるでしょう・・・。

タイトルにもありますが過去2回、技術書典に参加してきました。以前の記事で技術書典 15 に参戦してきました!という内容のイベントレポートを上げておりました。

今回は私が統括的なことも行っており、最終的にどの程度の金額がかかっていたのかを振り返ってみたいと思います。

結論から申しますと「趣味で出すのはアリ!」なので是非皆様も参加してみてはいかがでしょうか

必要なもの、出費

まずは出ていくぶん、準備から。

初回出費、消耗品

まず、必要な経費をまとめてみます。細かいものはある程度合算させてくださいm( )m
またこの記事での記載価格は参考価格です。もしかしたら変わってしまうかもしれません

  • ブースクロス @9,000 (amazon)
  • 卓上ポスター @3,000 (amazon)
  • 卓上ポスタースタンド @1,000 (amazon)
  • *大型ポスター @3,500 (amazon)
  • *大型ポスタースタンド @2,500 (amazon)
  • 小物など(テープ・文房具など)@3,000 (主にダイソー・セリアなど)

合計:21,000円

コミケや他の即売会ほどかっちりやらなくてもいい感じ。大型ポスター関係もなくても大丈夫です。
しかしブースクロスや、卓上ポスタースタンドはあったほうがいい。むしろ必須かもです。あるだけでブース感が一気に出ます。またブースクロスは机の下に置く荷物などを隠すことも出来るため、必須。
あと見本誌カバーは絶対です。買いましょう。表紙に「見本」と貼り付けられるし、値段も書ける。

初回出展では結構な出費ですが、使い回せるものも多いです。共著などでこの辺の経費を分担するのもアリでしょう。

変動費、毎回出費

肝心の書籍発注や、その他申し込み費用などの毎回かかる費用をこちらに記載します。なお予定販売数やページ数などによって金額は変動するため、こちらの内容はあくまで参考価格として御覧ください。

  • 書籍印刷費 @135,000
  • 在庫受け取り @4,000
  • 会期後の在庫発送 @3,000
  • その他送料 @5,000
  • *打ち上げ費用 @3,000

合計:150,000

在庫の送料、発送に関しては本の厚さがなければ全然少なくて済みます。あくまで参考までに・・・

出費合計

171,000 円

うわ、弊サークルの経費、高すぎ...

収入計算

ここから僕のブチギレタイムが始まります。

収入種別

今回は技術書典と Booth のみに絞ります。体感的に Booth で販売した結果、販路を無駄に増やしても管理コストが増えるだけでした。

  • 技術書典
    • 会場(現金)
    • 会場(物理本)
    • 会場(電子版)
    • 会場(受注生産)←後日発注し、発送
    • オンライン(物理本)
    • オンライン(電子版)
  • Booth
    • オンライン(物理本)
    • オンライン(電子版)

多いなあ・・・多いですよ。多いね。

各種手数料など、引かれる項目

技術書典の受注生産、オンラインの物理本は「1冊ごとに100円」かかります。つまり原価が少し上がる。
そして Booth は「商品価格*5.6% + 22 円」がかかります。電子版、物理本ともに。物理本は倉庫発送の場合、それとは別に26 円かかります。さらにもう一つ。倉庫保管料が「毎月 1,000円」発生します。

売れた数に対して一元管理が不可能!!!!ということ!!!!!! 最終的に Google スプレッドシートで書籍ごとに売上を管理することになりました。これらの計算式を盛り込んだ表の一部をちら見せします。

販売ごとに分離し、まずは売上を記載。そこから送料・手数料計算を挟んで書籍ごとの詳細を入れるように設計しました。なので送料・手数料計算は項目ごとに自動算出しないとやってられない感じになっています。

振込の特例

技術書典はシステム利用料が「売上の20%」発生します。そして技術書典の特例サービスもあり、実はこれだけではありません。 なんと「売上が50,000円までは手数料なし」そして、超過分に対して手数料が発生します。これについては技術書典14の売上で達成しております。1万円のボーナスがいただけると思っていれば良いのかなと。

これらを踏まえて収支を改めて確認していきたいと思います。

収支表を見る

現在確定しているぶんのみで、約13万円の赤字になっています。今回かかった金額に対しての黒字化がどこからなのか、損益分岐点を見極める必要があります。それがわかるようにグラフ化します

まずは表を簡単に作ります。前回の感覚的に、電子版がおよそ販売冊数に対して40%程度見込めると仮定します。
物理コストが掛かっていないため電子版は利益率がいいです。

およそ17万の経費に対して販売数はおよそ120冊なので、金額的にはギリギリか・・・?という予想。

表を見てもわかるように

140冊売らないといけない

すでに経理部の人がいたらごめんなさい。マジでごめんなさい。本当にごめんなさい。 会社でこんなことやったら大赤字もいいところ。

絶対原価設定ミスってます。

グラフにするとこんなかんじ

ポイント

正直、ちょい赤字か関係者への利益還元がそんなに見込めないと思っていました。原価設定絶対ミスったと思いました。
最終的な結果としては 100,000 円程度の黒字になる見込みです。

なぜなのか、売上集計のシートをみます。

技術書典の収益だけ考えていましたが、収入経路は他にもあります。

  • 前回の引き継ぎ金額 @12,000
  • 前作の販売(20冊程度) @43,000
  • Boothでの電子本販売利益 @10,000

最終的に今回の物理本を完売、前作(全部利益)が入ることもあり、黒字に落ち着きました。

反省点

先に、やっておくこと

  • 必要経費の予想
  • 印刷コストを算出
  • 損益分岐の見通しを立てる

経理周りは正直、慣れてない僕には大変でした・・・。なんとか黒字化できてよかったです。 運営のノウハウが溜まってきたので可能な限り誰でもそれを使える形として残したいですね。残していきます。

本をご購入いただいた皆様、ありがとうございました。