四谷ラボ公式ブログ

四谷ラボはいつでも誰でも自由に参加・研究・交流・発信のできる街のオープンイノベーションラボ

技術書典 16 を目前に控え、コミュニティ活動を振り返る

Shino3(しのさん)です。

bsky.app

2023年より参戦している技術書展ですが、また開催が近づいてまいりました。このように技術書典へ参戦するようになった経緯も含めて振り返りの記事となります。

また、今回も四谷ラボは新刊を出典します。記事の最後では「Hello Nostr, Yo Bluesky 2 最先端分散型SNSの愉快な仲間たち」も少しご紹介したいと思います。 この記事内で後述しますが、Nostr, Bluesky ... とネタが増えてきたこの本、いよいよ国産の分散型SNS「Concurrent(コンカレント)」も詳しく解説しています。
Nostrとは?Blueskyとは?といった読者の方へ向けた解説記事もあり、また184ページという厚い本になってしまいました。この本の目次やサンプルページは下部の詳細リンクよりご覧ください

会期:2024/05/26 (日) 11:00~17:00
会場:池袋・サンシャインシティ 展示ホールD(文化会館ビル2F)
サークルスペース:く 20

Hello Nostr, Yo Bluesky 2 最先端分散型SNSの愉快な仲間たち

books.428lab.net

頒布価格  ¥1,500
電子版   ¥1,000
電子版+紙 ¥1,500

2023年2月以前の活動

四谷ラボの活動は2019年よりスタートしており、この書籍に関連したイベント以前からも活動は行われておりました。

2019年~2020年ごろは基礎固めも兼ねて四谷ラボのオフィスへ頻繁に訪れていました。初期の頃は口コミで以前から付き合いの会った方が常に出入りする、コワーキングオフィスとしての位置づけもあったため来訪される方々も分野がそれぞれ多種多様・・・。少なくとも「化学反応」は起こっていたと思います。

まるで大学のサークルのように、趣味で集まりそのまま朝まで勢いによってコードを書き、開発をし、そのまま松屋を食って仮眠して帰る・・・そんな「面白そうなものに全力投球したい」というメンバーが集まりながら。

四谷ラボのDiscordサーバーを整備したり、Webサイトを構築したり、やったことをブログにまとめたり・・・。ラボのための活動もかなり含まれていました。ラボメンそれぞれがラボという場所で前に進むための活動を推し進めることで、メンバーや来客の受け入れ体制、イベントのための利用など、コロナ禍を乗り越え物理的な存在価値を残せたと思っています。

またラボとは別に私は自身の興味があった分野「自作キーボード」に関して、四谷ラボの名前をお借りしました。ハンズオンなどのイベント開催のほか、もくもく作業会など、自身が主体となって動くための土壌は2019年の夏~冬にかけて整ったと感じています。またまた四谷ラボという場に身をおいて活動の実績も残したことによって、私自身が何かを企画するノウハウの習得にも繋がりました。

分散型SNSへの関わりと勉強会

ここからは「Hello Nostr !」と関連のある内容になります。2023年の2月にNostrが日本国内の一部で話題になり、それに kojira さんと私が突撃しました。当初は「Nostrとはなんぞや!?」からはじまり、何ができるのか、今どういう状態なのかも分からないまま使用していたものを理解するため「勉強会」の形でオンラインイベントが開催される運びとなります。

NostrやBlueskyの勉強会のほか、近日中に量子アニーリングのイベントも開催されます。

428lab.connpass.com

不定期ですがもくもく会なども計画しており、興味がありましたらconnpassをチェックしてください

428lab.connpass.com

Nostr 勉強会シリーズ

前項でも記載がありました、2023年2月22日 22:22:22 に開催された「Nostr 勉強会 #0」が今までのラボのあり方を変えたところがあります。多忙の中でのオンラインイベント開催は同接数も200近くなり、結果としては成功だったと思っています。

ポイントはこのあと、火種を絶やさない事でした。熱意も高く、皆が余韻に浸っているうちに「#1」を企画することとしました。2/22の開催からおよそ3週間後 3/10 の 22:00 スタートという、まあ社会人にはあまり優しくない時間に開催されたオンラインイベントは思惑通り継続して開催されることとなります。

Bluesky 勉強会シリーズ

3/3 のことでした。Nostr に残っていたユーザーに Bluesky の招待コードが突如として降り注ぎます。地を駆け抜けるダチョウは羽を得て空へと羽ばたきました。がしかし Bluesky は iOS 向けのアプリケーションしかリリースされていませんでした。しかし、そんな状況でも Nostr のユーザーは動じず冷静でした。WEBアプリケーションのほか、CLI で動くクライアントアプリ、Android アプリに至るまで、有志作成のアプリによって Bluesky の利用が支えられました。なら、やるしか無いじゃん、勉強会を!!!!

早速 3/17 に Bluesky の勉強会を計画するに至りました。Bluesky の分散の仕組み知りたいじゃん?ってなったので、開催。せっかくアプリとかも作ったから紹介しようぜ?って。

現在、そして未来

今でも「Nostr または Bluesky に関係があるなら LT登壇OK」という単純明快なルールのもと、勉強会が継続されています。もちろん内容が被ってもOK、過去に登壇した内容でもOK。2023年後半にかけては頻度も下がりましたが、その延長で「オフライン勉強会」の開催と、それのオンライン同時配信を達成するに至りました。

流れとしてはオンラインで始まったものに協賛いただき、最後はオフライン会場にて懇親会も開催できる、とても理想的な流れになったかと思います。

※Nostr ✕ ゴリラ.vim のコラボ勉強会もできました!

今後のアプローチとしてはNostr、Bluesky のくくりを撤廃し、「新時代の分散型SNS勉強会」として継続できたらいいなと思っています。半年に1回ぐらいの頻度でオフライン会場とオンラインのハイブリッド開催をしつつ動向を紹介するような手段を模索していきたいと思っています。

イベントのアーカイブは四谷ラボのYoutubeにも!

技術書典への参加

Nostr のタイムラインにはアイドルがいます。Nostrちゃんです。kojira さんが運用する bot のうちの一つです。タイムラインの対話型Botで勉強会の直前に生まれました。

誰かが言いました。

「Nostr ちゃん、推しの NIP を教えて!」

Nostr ちゃんは、元気よく言いました。

「はい!NIPは『Nostr Idol Project』の略です!NIPでは、Nostrのアイドルたちが活動しています!皆さんも是非、NIPを楽しんでくださいね!」

そんな回答もあり、Nostr Idol Project としてサークル活動が開始されました。当初は「近いイベントの技術書典にてNostrの本を出そう、絵師さんもあつめて書きたい人も集めて合同誌を!!」というノリでスタートしました。

Hello Nostr! 先住民が教えるNostrの歩き方

1作目から皆様の熱意がすごく、印刷所より上がってきた本は「132ページ」という、まあしっかり分厚い本。とても内容も濃いです。一作目の「Hello Nostr !」(通称:のす本)に掲載されたサンプルコードは複数の Nostr 民を虜にし、エンジニア向けの記事のはずがエンジニア以外の人も Bot を運用するまでに発展しました。

この本は技術書典当日、とりあえず100冊を印刷しました。技術書典14にて発行したものは完売!! 取り置きぶんは後日納品でもOKなことからオンライン販売文すらも当日に回しましたがイベント終了を待たずに終了してしまいました。

最終的には技術書典15において物理本は完売し、現在は電子書籍のみの取り扱いになっています。

Hello Nostr! Yo Bluesky! 分散SNSの最前線

2作目の本は、Nostr の他に Blueskyも含みました。最初は Nostr のみで始まった本でしたが、執筆している最中に Bluesky の招待性が始まったり、Bluesky Meetup が開催されたり、1ヶ月遅れぐらいで活発が動きがあったものの、のす本ではこれを拾いきれていませんでした。

Nostr のほか Bluesky も確実に拾うぞ!!! という強い意気込みのもと、タイトルも「Hello Nostr, Yo Bluesky!」(通称:のすぶる本)と名付けて活動を開始しています。Nostr Idol Project として活動していたサークルも Nostr 限定ではなくなった事もあり、四谷ラボにシフトしました。

この本のすごいことは「のす本の演習を読んでBotを運用する主婦が、その記録を執筆している」という熱意にあります。またイラスト提供も含めて総勢26名が参加しており、合同誌でも類を見ない規模になりました。

イベント当日には 214 ページの「めっちゃ分厚い、薄い本」が会場に届きました。

技術書典を振り返って

一回目の出典となった技術書典においてはブース設営においては借り物を利用しました。偶然にも会場中央付近のお誕生日席ということでA0サイズのポスターもとても目立つ形になりました。

技術書典には内部イベント「アワード」があります。ノミネートされた作品に対して各部門ごとに表彰される仕組みで、これに選ばれると賞金もいただけます。のす本もノミネートされておりましたが、惜しくも逃してしまいました。

2回目においては「あ」の列中央付近で、A0ポスターは使えないかな・・・と判断。ブースクロスを新規に発注し、四谷ラボとしての存在感を残しつつブースにはA2ポスター、A3のおしながき・・・とある程度同人イベントのブース感を強めにしました。

これも功を奏してちゃんと目立つ場所に配置することができました。また、のす本は一作目からちゃんと「本」としての体裁を成していたこともあり「刺され!部門」にてアワードを受賞するに至りました。

技術書典 16 への参戦に向けて

さて、ここまで振り返りの話でした。技術書典 16 はどうなったの?疑問に思うことでしょう。前回までの反省も踏まえて何が必要なのか、ちょっと多めに振り返っていました。
そのうえで「Hello Nostr, Yo Bluesky 2」が形になるまでの道筋をご紹介します

  • 本の概要、内容、テーマ、その他、記載事項は notion へ記載して「その一枚を見ればいい」状態にする
  • マネージメントの担当者を配置し、スケジュール監理や連絡・相談などを完全に移管する
  • 連絡・募集やアンケートなどはGoogle Formを使用
  • スプレッドシートを分割。全員共有用、監理メンバー用、その他(当日の担当向け等)

とにかく「マネージメントの担当者を配置する」が一番重要でした。なんせ同時期に他にもイベント抱えてたり、私は引越も被ったり、オフ会もあったり・・・。
連絡が漏れてたり、仕事、趣味・・・やることが多い。

また同時にWEBサイトの改修をすすめました。以前は nostr-jp の GitHub にて管理していたWEBサイトのリポジトリを、四谷ラボの配下へ移管しました。
合わせて、一年ほど nostr-jp.org のドメインに設定されていたサイトも四谷ラボのドメイン 428lab.net に引っ越しています。サイト構造も大きく変更しまして今までは Nostr Idol Project のままでは汎用性もなく、また別ジャンルの書籍が管理できないなどのことから、四谷ラボのリリースする書籍のページとしてリニューアルしています。

https://books.428lab.net

それ以外の活動やイベントのご紹介

上記の内容のほか、近いところで四谷ラボにて行った活動には複数ありますので一部をご紹介です。

AI イラスト品評会

お台ルーレットに沿って、テキストから画像を生成するイラスト品評会をおこないました。今ではAIイラストの精度も上がってきたこともあり、また違った結果になるかなと思います。また、だいぶAIイラストが民主化したこともあり、コンテスト参加の敷居が下がったと思います。

VRバイスお試し会

方向性は異なりますが2回ほど似たようなイベントが開催されています。一つは Meta Quest Pro お試し会で、3台のQuest Proを参加者みんなで遊ぼうというイベントが開催されました。

2回目は方向性が異なりヘッドマウントディスプレイ(Quest 2、Quest Pro、その他 Quest 3 や HTC Vive)を持ち寄りのほか、Haritora VR、Mocopiといったモーションキャプチャーを持ち込みました。私は発売当初の Quest 2 までの情報で止まっていたため、その後の VR におけるデバイスやソフトウェアの凄まじい進化を体験することとなりました。

新年会、忘年会、飲み会、タコパ

イベントの打ち合わせや反省会のほか、関係者にお声がけして飲み会等も開催されています。エンジニアが多いからなのか、参加するメンバーがクリエイティブなのか「これがあれば、こんなことができる」「この先未来はどのように進む」など、熱いトークが繰り広げられることもしばしば。

おわりに

四谷ラボでは面白そうなことをとにかくやっていきたいです。「四谷ラボとともにイベントとかやりたい!!」という気持ちがありましたら、ぜひ私達にリアクションをください。例えば、ハッカソン、アイデアソン、その他イベント・・・それ以外にも技術書典の執筆や勉強会の開催など。

私達は何かを達成したい熱意をお待ちしています。

技術書展 16 関係者の皆様

イラストレーター:崇徳さんみりめいさん
デザイン・DTPよそいちさん
マネージメント:おっぱぴぃさん

ご協力いただきありがとうございました!!

紙面サンプルはBlueskyの投稿をご覧ください。デザインのよそいちさんからもコメントいただいております。

#技術書典 16 にて頒布する Hello Nostr, Yo Bluesky 2 の紙面サンプルこんな雰囲気です! 今回もデザインは よそいちさん ( @sksksketch.net ) にご協力いただきました!!! よそいちさんのコメント ------ 陸海空宇宙モチーフのデザインに注目! Nostr=陸、Bluesky=空、Concurrent=海とそれぞれ連想し、四谷ラボさんの目標である「宇宙」も加えた4種の紙面にしています。本を読みながら気にとめていただければ幸いです。 books.428lab.net

[image or embed]

— 四谷ラボ (@428lab.net) May 5, 2024 at 15:25